SF創作講座

近況

ある日のことである。入院している祖父の病状について説明を受けるため、実家に戻っている母と叔母が病院まで出向くことになった。そのあいだ、認知症の祖母の様子を見ていてほしいと頼まれた。そこで半休を取り、タクシーで駆け付けたのだが、そのタクシー…

アドバイス(自分向け)

昔いただいたメール等も読み返してまとめた。 過去のアドバイスを読み返すのはつらく、流し読みしかできなかったが、基本的な問題点の傾向はほぼ同じだ。 自分に向けてチューニングしたアドバイス集。書くことがあるとすれば、ここに示したポイントを振り返…

ゲンロンSF創作講座実作「愛と友情を失い、異国の物語から慰めを得ようとした語り部の話」振り返り

■あらすじ 「愛と友情を失い、異国の物語から慰めを得ようとした語り部の話」 | 超・SF作家育成サイト こちらを参照。 ■自分で読んだ感想 確かにこれは言い訳がましい。着想そのものはけっして悪くはないのだが書き出しからしてよろしくない。 梗概が選出さ…

ゲンロンSF創作講座実作「できることなら、もう一度白夜の下で」振り返り

■あらすじ できることなら、もう一度白夜の下で | 超・SF作家育成サイト シミュレーション世界の中で目覚めた主人公は、そのシミュレーションの中であこがれの先輩と設定されたキャラクターと恋愛関係になるよう、コンピュータから迫られる。さらに、人間と…

ゲンロンSF創作講座実作「君の声は聞こえるけれど、君には僕の声が聞こえない」振り返り

■あらすじ 君の声は聞こえるけれど、君には僕の声が聞こえない | 超・SF作家育成サイト 月面に取材に来たジャーナリストは、そこで科学者になった片想いの相手と、軍人になった同級生に出会う。主人公は片想いの感情に揺れながらも両者の立場を調停する。軍…

ゲンロンSF創作講座実作「枯木伝」振り返り

■あらすじ 枯木伝 | 超・SF作家育成サイト 瀬戸内海の実家に帰省した主人公は、従兄から架空の「淡路国風土記」の物語を聞かされる。それは、少年が恋に破れ、仏道に入るまでの説話物語だった。しかしそれは偽書であり、実は従兄からの片思いを綴ったものだ…

ゲンロンSF創作講座実作「重力崩壊と私掠船、その船医と強欲な商人」振り返り

妙にアクセス数が多いと思ったら、近々第6期の講座があるのね。 がんばれー。 ■あらすじ 重力崩壊と私掠船、その船医と強欲な商人 | 超・SF作家育成サイト 主人公と相棒が中性子星に墜落する。そこで生命体と遭遇するが、主人公たちはこの中性子星が間もなく…

ゲンロンSF創作講座実作「アムネジアの不動点」振り返り

■あらすじ フィクションとフィクションの間を移動する能力を持つ主人公は追われていた。そこで、彼を助けようとするように見える二人の人物に出会う。一人は芽衣、もう一人は純、殺しあう二人に主人公は翻弄される。 最後に明らかになったのは、主人公は元来…

ゲンロンSF創作講座実作「ミュルラの子どもたち」振り返り

■あらすじ ミュルラの子どもたち | 超・SF作家育成サイト 遠い未来の人類の植民した惑星。植物から生まれる人類の王族である姉妹が、意識を持つ植物に恋をする。二人はその植物と愛の行為におぼれる。二人は人類がどうやって繁殖するかを知らされていない。…

ゲンロンSF創作講座実作「アーカーシャの遍歴騎士」振り返り

アーカーシャの遍歴騎士 | 超・SF作家育成サイト ■あらすじ 児童ポルノを削除する人工知能が、少女の美を理解させるウイルスに感染する。そのウイルスを作ったのは、かつて18歳以下のヌードを恋人に撮らせた女優・美恵と、人工知能のベースとなった今は亡き…

ゲンロンSF創作講座実作「縮退宇宙」振り返り

■余談 創元SF短編賞の最終選考に受かった当時はテンションが上がりまくっていて、「よーし2か月に1本の短編を書いて1年で本を出すぞー」みたいな空想にとらわれていた。正直言ってしんどいペースだし、そんなことよりもクオリティの高いものを半年や1年に1編…

僕は再始動するのか? それからゲンロンSF創作講座実作「ニルヴァーナの守護天使」振り返り

■春 気分が落ち着かない。 気温が上がっているせいかもしれない。それとも再び何かを書こうという鬱勃たる熱意が再び持ち上がりつつあるのだろうか。何を書きたいのかまるで思いつかないまま、気持ちだけが空回りをしている。ブチ切れて友人に小説執筆関係の…

下村智恵理を読んでくれ(それと僕のクソデカ感情)

下村智恵理という作家がいる。 まずは読んでほしい。 特にSF創作講座の面々に。 ここ数年で読んだ小説の中で一番面白かった。 電車を乗り過ごすなんて数年ぶりだ。 余りにも面白かったのでレビューも一気に書いてしまった。 以下、カクヨムに投稿したレビュ…

いまさらだけれども、「愛と友情を失い、異国の物語から慰めを得ようとした語り部の話」の背景について

■少し昔語りと言い訳をさせてほしい。 2020年8月、第4回ゲンロンSF新人賞の選考が行われた。 ここで自分は残念ながら落選し、評価も今一つだったのだが、当時は屈辱感が強くて何をやりたかったのかについて十分に説明できなかった。 よって、ここに自分はど…

異性のキャラを書くときに心がけていること

■はじめに 小説を書くときには、言うまでもなく自分とは別の立場にいる人の考えや気持ちを想定する。国籍、人種、年齢、宗教。そもそも人間でないキャラクターだって登場させられる。その中で一番の壁のひとつが、おそらくは性別だ。 自分は、基本的にはどん…

ゲスト講師からいただいた感想、それから第5期生への更なるおせっかいなアドバイス                    

■ゲスト講師の皆様からいただいた感想 最終選考会から一週間が過ぎ、長い日記を書いたり美術鑑賞に行ったりして、気分が幾分落ち着いてきた頃、ゲスト講師の方からいただいたコメントを読むことができた。評価が定まって冷静に読むことができる時期なので、…

第4回ゲンロンSF新人賞選考会結果、それから第5期生へのおせっかいなアドバイス

徹夜だった皆さんはそろそろお目覚めだろうか。 自分も余韻が抜けたのが、ついさっきのことだ。とても楽しく、かつしんどく、それこそ怒涛のような一年半だった*1*2。 ひとまず、気持ちの整理も兼ねて、昨日の出来事についてざっと書いた。 そして、5期生へ…

ダールグレンラジオ賞ありがとうございます、それから明日に向けて。

■ばんざーい。 ダールグレンラジオ賞、ありがとうございます。自分が意識したポイントのほとんどを拾っていただけたので、結果がどうなっても、大満足です。 ■ダールグレンラジオからいただいたコメントまとめ SF要素は薄いが、今回の中では気に入った。リー…

続・いただいた感想

ダールグレンラジオがいつになるかはわからないが*1、それまでにいただいた感想をまとめておきたい。今日は用事があり、急いで書いたのだが、大まかな方向性はつかめるはずだ。 ■ネット経由でいただいた感想 めっちゃ面白かった#SF創作講座https://t.co/6eX0…

合評会でいただいた感想

■雑感 今更のようにどっと疲れが出てきている。最終実作を書き上げ、一息入れてからすぐに他の人の最終実作を読み始めたので、ここまで勢いをつけたまま突っ走ることができた。ところが、実際に読み終えて落ち着いてくると、自分がどれくらいこの講座にエネ…

ゲンロンSF創作講座目標達成率、作品の傾向の変遷、今後。

■近況、最近眠りが浅い 今朝も気温のせいか四時に目が覚めてしまった。これからもう一眠りして睡眠時間を確保しようと思う。 ■目標の達成率 第4回ゲンロンSF講座の個人的な目標 - 宇部詠一(ubea1)のブログ そろそろ、同期との合評会である。いい機会なので…

最終課題:ゲンロンSF新人賞【実作】感想、その5

■いただいた感想 宇部詠一 - 「愛と友情を失い、異国の物語から慰めを得ようとした語り部の話」 – 超・SF作家育成サイト作者にとって、書いておかなければならない小説なのだろうと思う。枠物語の構成も上手くまとまっている。 https://t.co/DwowGXkWMa #SF…

最終課題:ゲンロンSF新人賞【実作】感想、その4、まさかの最終候補

■番狂わせ 最終課題:第4回ゲンロンSF新人賞【実作】 – 超・SF作家育成サイト 一度も梗概が選ばれたことがないのに、ここに残ることができたのは、梗概感想会のおかげだと思う。感謝します。 以下、感想。 ■藍銅ツバメ「めめ」 異界に行って、帰ってきた話。…

最終課題:ゲンロンSF新人賞【実作】感想、その3

■いただいた感想。 青春とは暗く、滑稽だ。主人公が自身に執着する生真面目な悲喜劇が上質なフィクションを生み出し、自身の背中を押してくれる。宇部詠一 - 「愛と友情を失い、異国の物語から慰めを得ようとした語り部の話」 – 超・SF作家育成サイト https:…

最終課題:ゲンロンSF新人賞【実作】感想、その2

■近況 さっき真夏の服を買った。 で、新型コロナウイルスについてだが、やはり感染症について理解を深めないと、議論の細部を追えない。というか、そもそも感染症について直感的な理解ができていない。 原発事故のときは、自分には幾分放射線の知識があった…

最終課題:ゲンロンSF新人賞【実作】感想、その1、それから初めての金縛り

■近況 初めて本格的な金縛りを経験した。 口から白や黄色でまだらになった汚物を吐き出す夢で目を覚ますと*1、耳元で何やら奇怪な音がしている。猛烈な尿意がするが身体が動かず、思考もクリアではない。いわゆる金縛りだな、と意識のはっきりしない頭の中で…

「最終課題:第4回ゲンロンSF新人賞【実作】」提出しました

■書き上げた感想 最終実作は、毎月の自主提出で深めていったテーマに正面から取り組むことになった。具体的に深めた内容については、選考委員に向けたアピール文にも書いたので、詳しくはそこに譲る。 その代わり、講座や合評会で指摘されたポイントをどのよ…

2019年度ゲンロンSF創作講座第10回(6月19日)受講後の感想

■梗概についていただいたコメント 異教徒の娘とその似姿に恋をした少年スレイマーンの話 – 超・SF作家育成サイト メタを狙っているのだろうが効果が不明で、何を狙っているのかがわからない。何が言いたいのだろう? フィクションの本質をつこうとしているの…

昨日の感想交換会でいただいた意見のメモ

■最終実作梗概について 物語の層が三つあることは特に問題は感じられない。特に、二番目のアラビアンナイトの層が面白い。一方で、一番外側の現実が普通っぽい。そのため、もしも後輩との会話が妄想だったとしたら、現実パートで何も起こらないことになって…

最終実作梗概、拡張版。

これはメモ書きをアップロードしたものであり、今後改定する可能性がある(というか、実作を執筆しながらメモ代わりに使うかもしれない)。 講評会で使うためにここに掲載する。講評会関係者以外にも閲覧可能な形にすることで、ほかの受講生、来期の受講生の…