梗概を書こう

 梗概についてだ。これは当然書いたほうがいい。自分が目標を逸れていないかを確かめるのに便利だ。

 

 もちろん、一発目の梗概がうまく書けるとも限らない。そういうわけで、僕は最初に、登場人物のメモや書きたい場面、設定などをブレインストーミングする。正確には、思いつくままに文章を書き連ねる。厳密なブレインストーミングの手法を知っている人からすると原始的だが、キーボードで打つのが自分の考えが一番速く出力できるのでそうしている。

 

 こうした梗概というかメモはしばしば長くなりすぎて(短編だったら全体の四分の一くらいなんてのも珍しくない)、一目で見通すのが難しくなりがちだ。だから、あらためてきちんとした梗概にまとめなおすことが多い。メインテーマも、短くまとめる。とはいえ、もっと効率的な方法がある気もする。

 

 今回のゲンロンSF創作講座では、実作は原稿用紙五十枚ほどだと聞いている。この長さなら、全体像を把握しやすいし、修正もやりやすいだろう。少なくとも、衝動に任せて大長編を書き、大手術をした挙句に破棄するよりはずっと効率的だ。短編を馬鹿にするわけではないが、なんというか、より手に負える大きさの物からスタートし、それを何度も繰り返すというのは、何かを習得するにあたっての王道だし、この効果も僕は期待している。プレゼンの練習にもなることだし。

 

 あとは、どんなジャンルを自分が書けるか、思いっきりリストアップしまくってみるのもいいかもしれない。自分の専門分野は一応物理化学だったのだが、宇宙や天文にも関心があり、遺伝学や数学もテーマにできたらうれしい。