宇部詠一(ubea1)のブログ

ゲンロンSF創作講座をはじめとする物事の覚え書き。

第1回「「100年後の未来」の物語を書いてください。」梗概について

 昨日、無事に第1回の講義を終えた。結果は選外。しかし、得たものは多かった。大森氏、小浜氏からいただいたコメントを、参加者全員に向けたものを除外して述べると、おおよそ次のようになる。

 テーマには魅力がある。しかしながら、この世界が成立するまでの歴史というか、背後のロジックが不足している。説得力も足りない。舞台を月面にしたことの必然性もない。
 また、登場人物の行動原理が弱い。やむにやまれぬ事情というものが感じられない。必死さがない。やむなくそこに至っている、ということをもっと大切にするべき。
 もう少し具体的に述べると、たとえば虫のような知性体が目の前に現れたら、普通は幻覚を疑う。どのように反応するかを、もっと考えること。
 もしかしたら、まじめなものを狙うよりも、どこかとぼけた味わいの作品に仕上げるほうが、君にとっては新境地だろうが、面白いものができるかもしれない。
 それから、現代のものをそのまま入れると、白ける人は一定数いる。
 また、サイエンス的な話をすれば、アップロードされた前と後の人間に本当に連続性があるのか、という問題も残る。

 


 とまあ、厳しい指摘が相次いでいるが、きちんと読んでいただけた、と感じられ、とても嬉しかった。
 特に、以前薦めていただいた脚本術の本に書かれていたことも思い出され、まだ血肉にできていないルールがいくつもあるな、と反省させられた。具体的に述べると「おっとりした主人公からは、ゆったりとした物語しか生まれない」「読者が、これからどうなるのか、と気になってページをめくらせるような危機が必要」「主人公の求めていることはわかりやすくなければならない。原始人でもわかるかどうか、が一つの指標」などである。

 ただ、思い切りポジティブに捕らえるならば、以前はしばしば、ストーリーが弱すぎるとか、ただの風景描写で終わっているとかが批判されていたので、少しは前に進めたのかな、という気になっている。

 とはいえ、褒めてもらってよかった、だけでは話が進まないので、これからどうするかを考えねばならない。
 まず、もう一度アイディアを練り直し、新たに梗概を作りなおすことになる。もしかしたら、本当に大森氏の言葉のように、ぼんくら系の主人公にするかもしれない。続いて、次回の梗概を考えつつ、実作を執筆する。しかし、実際にカレンダーを見てみると割ける時間は三週間ほどで、意外に短い。ただでさえ不足気味であるのに、アイディアを出しなおすことから始めないといけない。さて、実際に目標としている通り、実作を提出できるかどうか。

……と、ここまで書いたところで事務連絡が来た。初回ということで、朱を入れた梗概が届くそうである。今から楽しみだ。