第4回の講座(9月19日)受講後の覚書

 おかげさまで、昨晩は一点をもぎ取ることができた。小さな成果ではあるが、一歩前進であることは間違いない。仮にだが、今後も毎回提出し、なおかつ一点ずつもらえたとしたら、梗概の段階で一度も選出されなかったとしても、十五点前後は手に入る。結果的に、実作に進んだ作品の点数を奪うことにもなるし、「攻撃」の手段としては悪くない。*1

 点数のことはともかく、今回はいちばん肯定的な評価をいただけた。そういうわけで、非常にやる気が出た。今後も提出を続けていこうと思う。

 

■今回の梗概について

ミュルラの子どもたち – 超・SF作家育成サイト

  世界観が面白く、独自性がある。話にも力がある。ただし、人間が樹木から生まれ育つことに何らかの意味づけがほしい。それと、王位を得ることの対価として何を失うのか、が描かれていない。また、王位の生態学的な意味がよくわからない。主人公は何かを育てることでどう変わって行くか、何が大事か。二つのものの間で迷うようにしてほしい。厳しい選択を求められたほうが話としては面白い。梗概はあくまでもプレゼンテーションなので、何が起こったかを具体的に書く必要がある。それは、実作の段階では明示されていなくても構わない。あくまでもプレゼンだからだ。ちちなみに、『十二国記』は王位についてかなり深く踏み込んで書いているので参考になるだろう。

 ちなみに、トキオ・アマサワ氏からいただいた資料には「皆が木の股から生まれる世界の中で、どうやって王族が誰なのかがわかるのか」「双子の一人が子育てをするのはいいが、もう一人が樹木と一体化することの意味は何か」とあり、ほぼ同一のポイントが指摘されている。

 痛恨の極みなのが、登場人物の名前を自分で間違えてしまったことだ。一応人物対照表を作っておいたのだが、やはりゼロから固有名詞を作るときは混乱する。

 

■今回の実作について

アーカーシャの – 超・SF作家育成サイト

テーマに合わせて絞り込んで短くまとめた印象がある。しかし、普段よりもずっと短い。これは時間が足りなかったのか。(自分の回答。テーマに沿って起承転結を書いたら短く終わった。自分なりに原因を考えたが、これはサブプロットが欠落しているからだと判断した。手術することも可能であったが、焦点がぶれる可能性があるので、この長さが適切だと結論付けた。)なるほど、その判断は正しいだろう。

 という具合に、今までで一番肯定的な答えだった。事実、点を獲得した。数字自体は小さいが、梗概段階で選ばれたものではなかったことを考慮すれば、大きな成果だ。そもそも講義で言及されない作品もあったことを考えると、本当に我ながらよくやった。もちろん、ここで満足するわけにはいかないが、小さな達成点を見つけ、それに対してきちんと喜ぶことを、自分は大切にしている。

 話は変わるが、実作講評のときに小浜氏が「創元SF短編賞は、説明的に過ぎるものと、一人称饒舌体のものは評価しない」という趣旨のことをおっしゃっていたので、覚えておく。

 

■今後の戦略

 そういうわけで、今後も実作を提出し続ける予定だ。前回の記事のように、式氏からの評価は芳しくなかったが、講師から点がもらえたのは嬉しい誤算だった。とはいえ、今野あきひろ氏もブログでもっとハードなのが読みたいと呟いていたため*2、もっとそうした色合いの梗概を出そうと思う。というか、自分の勝負できるポイントはそこだろう。遠野氏とのツイッターでのやり取りで、実作の感想に対するコメントについて、「SFに対する解像度が高」いと褒めていただけたので*3

 それと、今作はたまたま一万字を切っており、星新一賞の条件に適っている。応募するのでウェブでの公開を差し止めてほしい、とお願いするかもしれない*4

 

■それと、近況

 ここ最近は、はてな匿名ダイアリーには書きこんでいない。多少、実験的にしょうもない物を書き散らし、どこまでのネタを振ったら炎上案件かを試しはしたものの、あまり気分のいいものではなかったので、そっちはほったらかしにしてある。*5*6

 第一、たとえば下ネタオンリーな記事などは、僕にしか書けないものではないのであり、もっと人を笑わせる才能のある人はいくらでもいる。そうしたものを書きなぐって、自分にしか書けないものを執筆する時間を浪費すべきではないだろう。*7

 

 以上。

*1:同期に敵意を持っているわけではない。スポーツでやるような健全な競争心だ。

*2:このハードSFという言葉が、科学的に正確な知識に基づいた小説を指しているのか、それとも疑似理論も含めていかにも論理的に見せかけた雰囲気を含むのかは微妙なところではある。

*3:実際のところ、第四期生が月に何冊の本を読み、そのうちSFが何割かが気にならないと言ったら嘘になるのだが、一度それを公開したらあれを読んだこれを読んだという不毛な争いが発生するのが目に見えているので、僕は口をつぐむこととする。読んでいればそれだけ偉いわけでは別にない。

*4:もし、本記事を閲覧している時点で消えていたらメールしたってことだ

*5:自分の暴露話に対して否定的なリプライがつくのは愉快なものではない。直接自分を殴られる感じがある。それは小説を批判されるときの知的な高揚感とは無縁だ。

*6:そうはいうものの、カクヨムの裏アカウントでPVが伸びると気持ちがいい。これに溺れないようにしなくてはいけないと思いつつ、裏垢でやらなきゃよかったとも感じられる。とはいえ、SF作家(候補)としての宇部詠一のイメージは、壊したくない。

*7:ただし、体験談、要するに自分語りはライターズブロックを打破するのに、それなりに効果的な気はする。