第6回の講座(11月21日)受講後の感想

 そういえば、淡路島には飛び出し坊やをたくさん見かけた。中には、少し頭身が高めのドラえもんもいて面白かった。写真を撮ろうかと思ったのだが、自転車を止めるのが面倒なのでそのまま通りすぎてしまった。

 

 以下、本題。

 

■梗概について

重力崩壊と私掠船、その船医と強欲な商人 – 超・SF作家育成サイト

 いただいたコメントは次の通り。

  ハードSFなのに宇宙海賊が出てくる。この辺りのセンスは好ましく思った。ただし、タイムスケールがおかしなところがある。ひとつは登場人物の寿命であり、もう一つは重力崩壊の起こる速度である。また、この話は基本的に、地底人と出会う冒険小説であり、プロットが単純。具体的には、ロバート・L・フォワード「竜の卵」そのままである。それに、おそらく主人公たちはかなり身体改造を行っているだろうし、意識が中性子の中にあるので、人間離れした格好になっているだろう。身体などの描写をよりハードにするといい。エイリアンの描写も、翻訳装置を通してではなく、かなりハードな方向に寄せてもいいと思われる。

 それと、中性子星の重力崩壊は、具体的な描写で長く書くとつらい。オミットする方がいいかもしれない。

 あとは、タイトルでピーター・グリーナウェイを参照した*1理由がわからない。どうせなら、枕草子*2とかみたいなほうが良かった。グリーナウェイの、なんだこれ、わからんな、みたいな感覚を入れられるとよい。

  毎度のことながら、急いで意見をメモしているので、どの部分が誰の意見だったか、正確に記録に残せていないのが申し訳ない。

 これって「竜の卵」だよね、ってのはその通りで、やっぱり中性子星といえばこれでしょ、みたいなところがあるから、どうしても発想の根幹にはあった。

 それで、なんでタイトルをグリーナウェイにしたのかっていうと、他に何も思いつかなかったから。我ながらひどい。ただ、ちょっと藍銅ツバメ氏の梗概のときにタイトルを付けるときのヒントが出ていて、そこに出てくる視覚的な要素を使う、みたいな方法が紹介されていた。これなら使えそうな気がする。それか、またハードっぽく中性子過剰核生命体」にするとか*3

 そういうわけで、また梗概段階からプロットにはかなり手を入れて、実作に進むことになりそうだ。

 

■実作について

アムネジアの不動点 – 超・SF作家育成サイト

 講座では触れられなかった。単純に面白くなかったのだろう。面白くないのならしょうがない。次回に面白いのを書くまでである。

 とはいえ、漫然と書いていてもしょうがないので、どういうときに言及されたかを考える。すると、初回を除いて、ほぼハードSFに振り切っているか、ややファンタジーを思わせる別世界を舞台にしているときが、点が入るかどうかはともかく、完全スルーされにくいことがわかる。やはり、無理して不得意なことにチャレンジするよりも、得意なことで一点突破するべき、という今回の講座でも触れられたことに回帰するようだ。

 よく考えれば、自分よりも圧倒的にアクションが上手な人がたくさんいるので、そんなところで勝負したって、負けるに決まっている*4。なお悪いことに、講座でフィードバックを受けることで、第1回とは比べ物にならない作品を書き上げている受講生がおり、すごいなあ、と思っている*5

 ちなみに式氏からは「女の子が爆発するシーンが好き」というコメントをいただいている。言い換えるなら、「エロティックではないグロテスクなシーンが好き」ということだそうだ。また、「前回の、別世界の繁殖の様子は苦手」とのことだった。逆に言えば、強い感情を喚起されたということだと思う。毒にも薬にもならない文章よりも、相手の気分を悪くさせる文章のほうが、強い気がする。

 そうそう、同氏から「あからさまにヤバいことが起っているのに、語り手がどこか淡々としているのが面白い」ってコメントもいただいたのだけれど、これってものすごい長所か短所かになる気がする。まあ、確実にアクション向きの文章ではないだろう。

 

■次の梗概どうしよう

「取材」してお話を書こう。 – 超・SF作家育成サイト

 まだ何も考えていないのだけれど、ひとまず江戸時代の学者の本を入手したので、その辺から攻めてみようと思う。

 そうはいいながら、江戸時代SFって何だ、って疑問は浮かぶ。最初からシミュレーション世界にするか*6、江戸時代の人間が未知との遭遇をするか、タイムマシンSFにするか、いろいろと検討しないといけない。

 

■というか、今後どうしよう

 この講座はとても有益で、自分のどういう方向性を伸ばせばいいのかがわかる。コメントがないことすらもまた一つのフィードバックだ。そういう意味では、1点も入らない回だって、出席することにはとても意味がある。

 とはいえ、来年もまた出るかどうかは迷っている*7。というのも、ファンタジーっぽいのも書きたいな、って気分になりつつあるからだ。それとも、これはなかなか梗概が選ばれないが故の、現実逃避に過ぎないのだろうか。

 たぶん、逃避なのだと思う。これだけの人数の中で上位に食い込めなければ、ここをやめてどこかに応募しても、あまりいい結果にはならない可能性も高い。創元SF短編賞で最終選考に残ったという自負はあるが、トップではないのは事実だ*8

 とはいえ、来年また続けるとしたら、またあれだけ増えた実作を読むのが大変にしんどいのは目に見えている。今のSFの肌感覚を得られるメリットはあるけれどね。

 

 以上。

 

【ひっそり追記】

 講座を修了した後、何だったらここのブログ、映画とか小説とかの感想メモにしちゃってもいいよなあ。ただ、アクセスの多い記事はSF創作講座の実作感想が多いので*9、あまり期待してもなあ、とは思う。一回、全然関係ない記事を書くのもいいかもしれない。

*1:「コックと泥棒、その妻と愛人」

*2:ピーター・グリーナウェイ枕草子

*3:関係ないけど最近理研でどこまで原子核中性子をくっつけられるかって発表があった。

フッ素とネオンの同位元素の存在限界を初めて決定 | 理化学研究所

*4:同じ理由で、萌えキャラを書くのもやめておきたい。

*5:このブログで僕が感想を書いていることもその原因だったらうれしいような、危機感を覚えるような。思い上がるなって?

*6:今回の講座では大技だから前振りが必要とは言われたけれど。

*7:まだ半分過ぎただけなのに、気が早い気もするが……。

*8:今回の講座では「馴れ合ってもしょうがない」、言い換えると、「狭いコミュニティの中で一番になることを目指していると、そこで進歩がストップする危険がある」みたいな話があった。ただ、一人で執筆するのであれ、集団の中で頑張るのであれ、最低限新人賞受賞レベルを超えていないと、商業に乗せることは厳しいのだと思う。これは冲方氏も本の中でで強調していたことだ。

*9:でも、受講後のコメントを読んでくださる方も多い。感謝感謝。