■あらすじ
「愛と友情を失い、異国の物語から慰めを得ようとした語り部の話」 | 超・SF作家育成サイト
こちらを参照。
■自分で読んだ感想
確かにこれは言い訳がましい。着想そのものはけっして悪くはないのだが書き出しからしてよろしくない。
梗概が選出されなかった挙句の果てに非SFに逃げてしまった感じがある。方向性に迷って完全な私小説にしてしまっている。あるいは表現の自由と規制に関しての論理的でない、個人の気持ちの表明になっている。あるいは純文学への逃避? それとも一年間小説を書いてきた気分の最終レポート的なもの?
また当時のCOVID-19が猛威を振るっていた時代の感覚の個人的な記録としてはなるほどと思えるが、それ以上ではない。
楽しく読んだという方も多くいらっしゃったので感謝している。しかし、それは書くという行為を共有している人がほとんどだった。あるいは、自分のブログを読んでそれとシンクロさせて楽しんでくれていたみたいだ。小説という表現媒体でしかできないことを自覚的にやるためにメタ的な方法を用い、それを評価してくれた方もいらっしゃったが、オチが「よーし、つらかったけどまた小説を書くぞー」だけだと一般の読者へのアピールとしては弱い。
創作をしない人にも面白いと思ってもらえないと内輪受けになってしまう。
この小説を救い出すためには言い訳がましさを減らし、ラストも変える必要がある。
■第三者からのコメント
- 構成は良い。
- ダメさ加減は身近でリアル。現実サイドをもっとコミカルにしてもいい。
- 言い訳がましい。楽をしてしまっていないか。
- ですます調も楽をするのに使えてしまう。
- 語らず示す!
- 未来という設定が急に出てきたので噛み合っていない。
- 主人公は何一つ変わっていない(最初に戻っただけ)。
- 枠物語の内外のやり取りが弱い。
- いっそのこと枠の外で「こう書く」とやれば枠の内側の読み方を誘導できたのでは。
- 自己分析が甘い。
- 異文化という舞台を理解してもらうのは難しい。
- 登場人物がステロタイプ。
- もうちょっと異文化との加害/被害関係をプロットに組み込んでも。
- 主人公に興味が持てず、失恋したとしても「ああそうですか」としかならない。
- 主人公が自ら「こんなことがあって」と語りだすのは苦手。
- 逆に主人公がもっとモテてもいい。
- 読みやすい。
- 女性描写がうまい。
- ただしヒロインが「わたしにも内面がある」と主張するパターンを多用するのも考え物。
■全体を通してのツイート数での評価
作品の巧拙とは関係ないかもしれないが、後で振り返るのに便利なので残しておく。
タイトル | ツイート数 |
ニルヴァーナの守護天使 | 10 |
縮退宇宙 | 8 |
アーカーシャの遍歴騎士 | 13 |
ミュルラの子どもたち | 4 |
アムネジアの不動点 | 4 |
重力崩壊と私掠船、その船医と強欲な商人 | 5 |
枯木伝 | 4 |
君の声は聞こえるけれど、君には僕の声が聞こえない | 7 |
できることなら、もう一度白夜の下で | 2 |
愛と友情を失い、異国の物語から慰めを得ようとした語り部の話 | 24 |
以上。